赤い扉(ホラー)
スケッチといっても顕微鏡でのぞき込んで細胞や小さな虫やらを正確に書き写せというのだから、面倒な話である。


「おい、ちゃんとしろよ」


安田はずっとソラの方を見ていたため、クラスメイトに頭を叩かれる。


「わかってるよ」


ムスッとしたままそう言い、顕微鏡を覗き込む。


あ~あ、こんなワケ分からない細胞よりも向井さんをスケッチしたいよ。


心の中でそうグチり、適当な図をノートに描く。


「うわ、お前下手だなぁ!」
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