赤い扉(ホラー)
シンと静まり返る教室内。


ノートには赤色だけが強調された女の子の絵。


「……うまいよ」


引きつった笑みを見せて、誰かが一言そう言った。


みんな小声で「あいつおかしいよ」などと言いながら自分たちの席へと戻っていく。


けれど、安田は荒い息を吐きながらジッとその絵を見ていた。


真っ赤に塗られたスカート。三つ網の女の子。


誰が、何の為にこの絵を自分に描かせたのか。


準備室での、あの会話を思い出さずにはいられなかった。
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