赤い扉(ホラー)
「うわ、すげぇ雰囲気」


地下室に下りたとたん、朝とは違う、寒気が来る様な雰囲気が体中を支配する。


「これ、マジでやばかったりして」


そう呟き、自分が見た女の子を思い出す。


あのときはそんなに変だとは思わなかったが、普通に考えるとここに女の子がいる時点でおかしい。


まさか、あれも幽霊?


確かに、幽霊であっても何もおかしくはない。けれど、りえだって病院で見かけたと言っていたのだ。


どこの病院かは知らないがそんなに遠くではないだろう。


だとすると、その病院とこの学校になにか関係がある女の子で、行ったり来たりしているとか……。


そんなことで自分を納得させようとする。


少し歩いて、国方は立ち止まった。自分があの子を見た二番目の教室。


国方は一つ唾を飲み込み、そのドアに手をかけた。
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