赤い扉(ホラー)
ゆっくり、その手に力を入れる。


「あれ?」


もう一度、今度はしっかり力を入れる。


しかし、そのドアはびくともしないのだ。


「なんでだ?」


確かにあの時は開いていたのに……。


誰かが閉めた? 


何度か、ガタガタと扉を開けようとする国方。


その時、「なにしてんの?」と言う聞きなれた声が後ろから聞こえ、チカチカっと瞬きをして電気がつく。


「あ……」


見れば、階段辺りにサヤカが立っている。


「またあんた? まだ授業中なのに今度はなにやってんの?」


呆れたようにそう言い、片手に持ったカギをカチャカチャ言わせながらやってくる。
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