赤い扉(ホラー)
そんな時……、「田村、いる?」と声をかけられた。


りえが声のした方を見ると、そこには真剣な表情のサヤカ。


一瞬、ソラがムスッとしたのが見えたが、サヤカの表情はただ事ではなさそうなのですぐに「どうしたの?」と教室を出る。


「さっき、家に病院から電話があったんだって」


「病院から?」


りえは嫌な予感に眉をよせる。


「おじさん、まだ意識が戻らないらしくて、すぐに個室に移動したらしい」



人目を気にしながら、サヤカが小声で言う。


「個室に?」


驚いて、つい声が大きくなってしまい、慌てて周囲を見回す。


「私、車出すからすぐに行こう」


「わかった」


すぐに教室に戻って荷物を取ってくるりえ。
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