赤い扉(ホラー)
「それって、医療ミスじゃないんですか?」
キツイ口調でサヤカが医者に問い詰める。
「まさか! ただ傷口を縫合するだけですよ? ミスなんてあり得ません、もうとっくの前に麻酔も切れてます」
と、逆に医者を怒らせる結果となってしまった。
りえはぼんやりとベッドの隣に座り、勇気の顔を眺めていた。
本当に、ただ眠っているだけのように穏やかに息をしていて、揺さ振ればすぐに目を覚ましそうだった。
けれど……、りえは勇気の体を揺さ振ることさえ出来なかった。
勇気の顔が、あまりにも優しく微笑んでいて、まるで眠っていることが天国かのように見える。
起きなくなったのは医療ミスでも事故のせいでもなく、勇気が自分から目覚めないようにしているように。
「りえ……」
どう声をかければいいのかわからず、ソラがりえの肩を叩く。
キツイ口調でサヤカが医者に問い詰める。
「まさか! ただ傷口を縫合するだけですよ? ミスなんてあり得ません、もうとっくの前に麻酔も切れてます」
と、逆に医者を怒らせる結果となってしまった。
りえはぼんやりとベッドの隣に座り、勇気の顔を眺めていた。
本当に、ただ眠っているだけのように穏やかに息をしていて、揺さ振ればすぐに目を覚ましそうだった。
けれど……、りえは勇気の体を揺さ振ることさえ出来なかった。
勇気の顔が、あまりにも優しく微笑んでいて、まるで眠っていることが天国かのように見える。
起きなくなったのは医療ミスでも事故のせいでもなく、勇気が自分から目覚めないようにしているように。
「りえ……」
どう声をかければいいのかわからず、ソラがりえの肩を叩く。