赤い扉(ホラー)
「りえ?」


ソラが眉を寄せて女の子を見る。


「うん。リエはリエ、私の名前だよ」


その言葉に、りえは思わず立ち上がり「なに言ってるのよ」と後ずさりする。


「りえは私よ。この人も私のお父さんなの、あなたのじゃないわ!」


「違うもん、リエはリエだもん。リエのお父さんだもん」


真っ直ぐにりえを見据えて、そう言う。


「なんなのこの子……」


りえとソラが目を見交わせる。


「あんた親は? 一人?」


まるでなだめるようにサヤカがしゃがみ込んでそう聞いた。


「一人じゃないよ。リエのお父さんだもん」
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