赤い扉(ホラー)
☆☆☆

三人は学校へ戻ると、まず最初にりえを起こして保健室に寝かせることにした。


ソラと同じくらいの身長だから、二人がかりで支えていけばそれほど重くはない。


「カギかけとくから、起きたら勝手に出ておいで。私は職員室にいるから」


まだ半場夢の中にいるりえに一言そう声をかけて、保健室を出る。


「私、国方さん探してみます」


「あぁ、わたしも早めに仕事終らせるから。でも、勝手な行動はするなよ? 特に地下室は変なやからが溜まるから」


「わかりました」


それだけ言うと、ソラはサヤカと分かれてまずは三年の教室へ向かった。


ほとんど生徒がいない中、グラウンドでは男子生徒達が部活に汗をかいている。

どこからか聞こえてくる発声練習は演劇部で、音楽室からの音楽は吹奏楽部。


けれど、それ以外の音は自分の足音だけで、ついさっきまで騒がしかった教室に人影はない。


「やっぱり、教室にはにないかぁ」
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