赤い扉(ホラー)
「どうかしたの?」


「え……、いえ、別に」


明らかに様子がおかしい。


「それ、何?」


安田が手に握り締めているノートに目をやり、ソラが聞く。


「いえ、なんでもないです」


咄嗟に、ノートをかくす安田。


「ふぅん」


頷き、興味なさそうに視線を宙に泳がせた後、スキを付いて安田の手からノートを奪い取った。



「あ! 何するんですかっ!」


慌てて取り返そうとする安田。


けれど、ソラよりも五センチほど背の低い安田はノートを取り返すところかソラに笑われてしまう。


「何、なんか怪しいもんでも書いてるの?」
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