Ray
「 心菜 」
必死に手を伸ばしてると隣から声がした。
「 葵くん! 」
珍しい、葵くんがこんな人混みにいるなんて。
まさか葵くんも名物パンを……?
「 心菜も名物パン買いに来たの? 」
「 うん! 葵くんも? 」
「 美味しいって好評だから気になって…… 」
「 だよね! 」
ああー、もうすぐ目の前にパンが!
すると葵くんが長い手を伸ばしてパパッと名物パンを二つ取った。
うわ! 葵くん2個も取った!
やりおるな……
私も負けじと手を伸ばしてるとグッと腕を引っ張られて外に出た。
「 ちょっ、葵くん!? 私まだ…… 」
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