Ray
するとスッと名物パンを私に渡した。
「 え? 」
「 ……この前、里愛を助けてくれたお礼。ちゃんとしてないなって思って…… 」
「 えっ、いいよ! 悪いよ! 」
私はフリフリと首を振った。
「 ダメ。これは貰って! 無理矢理外に連れて来ちゃったし 」
葵くんはグッとパンを私に押し込んだ。
「 ……じゃあ、ありがとう 」
「 うん 」
そういえば、葵くんって結構律儀なところあったっけ。
そんな所は中学の時と変わってない。
私はフフッと笑った。
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