木こりの娘はプリンセス?
私は用意していた切り抜きをあんなに渡すと

『どの髪型が良い?』と聞く。

「分かんない、クレアはどれがいいと思う?」

ちょうどお茶の用意が出来たクレアに聞く。

「うーん・・・
このすっきりとしたアップスタイルが良いんじゃない?
いつもポニーテールで髪の毛揺らしてるでしょ。すっきりしてた方がいつもとイメージが変わると思うんだ。」

クレアの言った髪型は、夜会巻きを少しアレンジして華やかにしたアップスタイル。

『じゃぁ、その髪型に決定!!
ドレスアップする前に先ずはお茶会にしよう。』

私たちはお菓子を食べながら色んな話をする。

「サラちゃん、さっきの色々の話してよ。」

「何の話?聞きたい!!」


『色々って言うのは・・・

私が中学生の時に森に自生してる野草で薬を作ってたんだけど、すっごく効くから村の皆にも頼まれると作って渡したりしてたの。

お金はもらってないよ!!善意であげてただけなんだけどさぁ。

私はハーブみたいなもんだと思ってたんだけど、

たまたま村にちょっと有名なお医者様が来てたんだけど、村の皆は私に薬を依頼するもんだから怒っちゃってさぁ、

子供のお遊びとは言え薬事法に引っ掛るから役所に通報してお前を逮捕してやる!!とか言うの。

で、その騒ぎを聞きつけたお偉いさん達は、どんな薬なのか成分と効能の確認をするから薬を提出させなさい。って事になったんだけど・・・

私が作って村人にあげてた薬って、まだ世間にはない新薬だったんだって。』


「サラすごいじゃん!!」

「新薬って全然ハーブのレベルじゃなかったんだね。」

『そうなの、深淵の森の野草は調べたくても、入ったら出られない。なんて噂のせいで誰も研究してなかったから、どれもこれも未知の領域なんだって。

で、資格のない物がむやみに作るのはやっぱり危険だから、特例で試験を受けさせて合格出来たらこのまま村人に薬を作って渡しても良いって事になったの。』

「じゃぁ、見事に合格したのね?」

『そう言う事。

で、その時に製薬会社の協会長さんも来てたから、薬を作ったら特許を取ることを勧められたの。

私は新薬の研究は出来ても大量生産をする技術は持ち合わせて無かったから、協会長さんの会社で生産してもらってる薬も何個かあるんだよ。』

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