†恋愛駆け引き
『ん??何、優渡??』
三春ちゃんは谷中のことを優渡と呼んでいた。
明らかに二人は身近な人間であるようだ。


なんだかあたしの中にもやもやとした不安のようなものを覚えた。




『この技術の資料集に載ってるさ、木のおもちゃ……懐かしくね??』

谷中は三春に資料集を見せ、ある写真を指さす。
首を傾げて思いだそうとしている三春ちゃん……。

眉間にしわを寄せ顔をゆがめる。



『あっ!!思い出した!!これ、うちらが5歳の時に優渡と取り合って壊したおもちゃと一緒だ!!』

数秒経って、三春ちゃんの顔からゆがみは消えた。
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