ナチュラル。
.



「ふぁーあ。眠いっ!」



天音を待っていた私と元尾聖樹(Motoo Misaki)はトイレから教室に戻っていた。



すると



「ちょ、一回ここで流してみよーぜ」



「しゃーねーな」



そんな声が。



教室まではまだ結構あるのにも関わらず、もう既に聞こえるということは



随分大きい声で言っている。



…白川くんらしいな。(笑)



なんて思っていると教室目前。



コッソリと2-Dと書かれた私たちの教室を覗いてみると



そこにはやはり白川くんと…松野くんだった。



松野くんは私の好きな人だ。



ある日を境に、目に留まるのようになったいた。



「うわ、忍者姿、」



聖樹が目を隠してそう言う。



私はというと、マジマジと見ていた。



忍者姿という名の、剣道部から借りてきたであろう袴姿が似合っていて



6月初めの季節に随分似合っている気がした。



「あっ…元尾さんと大野さんっ」



明日の行動を通していた2人はその足を止めてこちらへ来た



やはり…カッコいいなんて不覚にも思い、自然と顔が赤くなる。



「顔赤いよ?(笑)」



「うううう、うるさいっ」



聖樹から言われて私は頬を掌で包んだ。





どうかバレませんように。





そう祈りながら。

< 6 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop