どん底人生に愛をあげよう


プルプル〜プルプル〜。


寝ているときに電話がなった。


ディスプレイには【猛】と乗っていた。


「…はい?」


渋々電話に出ると猛は、


「多恵は許してるからもう戻ってきな?」


いやいや。


なに?私が悪いっての?


もともとは、あいつが勝手にキレたからじゃん。


返事もせずに電話を切る。


風美姉ちゃんに電話して、私は飲み屋の女になった。



ー夜蝶ー


初めてでわかんない事だらけだった。


もともと負けず嫌いの私は、周りを見て必死に覚えた。


「いらっしゃいませ〜♡紗江で〜す」


夜蝶に染まり早1週間。


私は、先輩達よりも仕事も覚えて、客受けも良かった。


「そ〜いえば!社長さんニュース見ました〜?⚪︎⚪︎総理大臣の辞表」


別の人が社長さんに話しかける。


社長クラスや年配さんには、政治経済とかの話しのが盛り上がる。


「おー。見たよ!本当参るよ〜不景気だよ!不景気!」


「やだ〜社長さんなら大丈夫ですよ?♡紗江応援してますし」


こうやって煽てて、下手に出ると客は喜ぶ。


毎朝新聞に目を通してニュースも見る。

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