ありがとうのキモチ


それまでの生活が満たされていなかったわけじゃない。



でも、何かを忘れていた。



就職し、結婚し、平凡だけど幸せだった。



でも、何かが足りなかった。



それは、自分の中にある『伝えたい』というキモチを

隠していたから。



本当は、伝えたいことがたくさんあって、

時間さえあれば、小説を書きたかったし、

自分がここにいる!ということを残したかった。



でも、忙しさの中にそのキモチを埋もれさせてしまっていた。




白いジャージが


私の眠っていた何かを動かしてくれた。




1週間ほどで、数人の読者ができた。


涙が出そうだった。


最初にファンになってくれた子のことは

絶対に一生忘れない。



有名でもないただの作品を毎日読んで、感想をくれた。


私の心の中で動いている先生が、誰かの心の中でも動き出した。



不思議だった。


仕事をしていても、家事をしていても、

何をしていても誰かと繋がっているような気がした。

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