愛なんてない
恐る恐るそちらに目を遣れば、そこに立ってたのは咲子さんだった。
相良先生がわたしの表情から察したのか、パワーウィンドウでガラスを開いてくれる。
咲子さんは今日のパーティーに着るらしいピンク色のワンピースを着ていて、可愛らしくてきれい。思わずわたしも見とれてしまうくらい。
なんとなく相良先生の視線が気になってチラッと見れば、予想通り咲子さんを見つめてる。
やっぱり。
男の人は咲子さんみたいな綺麗なオトナの女性がいいんだな。
わたしは侘びしい気持ちで溜め息を着きそうになった。