愛なんてない
わたしもそれなりにきちんとしたつもりだけど、所詮は急ごしらえのイミテーション。本物の輝きにはかなわないんだ。
やはり、咲子さんがいると惨めな現実を思い知らされてしまう。
初対面でさえ惹きつける魅力溢れる女性と、色褪せた何の魅力もないわたし。
いけない、泣いてる場合じゃない。2人が不審に思っちゃう。
わたしは頭を振ってこみ上げてくるものを我慢し、いつもの明るい笑顔を浮かべて咲子さんに向けた。