愛なんてない






咲子さんが微かに息をのむ気配がした。


そりゃあそうだ。そんな反応があたりまえなんだよ。


まだ未成年のわたしが学校の先生と一晩一緒にいたなんて。


もしも何もなくても勘ぐられて……相良先生の立場が悪くなってしまうのに。


わたしはそれを恐れたから、相良先生には言わないでって頼んだ。


そりゃあ誠意を見せてくれると事前に告げられてたから、嬉しくは思ったけど。わたしはやっぱり相良先生を巻き込みたくはなかったのに。


だって、相良先生は教師として一生懸命で、この仕事にとても誇りを持ってる。


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