愛なんてない



お兄ちゃんと2人きりの時、わたしはたまに倒れてしまう事があった。


そして、必ずその前後の事が思い出せない。


今日も……こんな日に倒れてしまうなんて。お兄ちゃんと咲子さんに申し訳ない気持ちになる。


妹としても家族としてもいけないよね……もっと体を丈夫にしなきゃ。お兄ちゃんを心配させちゃう。


とりあえずどれだけ体調が悪いか確かめようとしたわたしは、上半身を起こそうとして肌と足に違和感を感じた。


……なに?


肌かけのごわごわした感触がやけにリアルだ。



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