愛なんてない






なぜ、どうして?


なぜわたしが裸で足枷を嵌められているの?


いったい誰が何のために?


わたしの頭は混乱しだした。


ふた部屋向こうにある居間からは笑い声が響いてくる。


けれど、わたしにすればそれはひどく非現実的で遠くの出来事に思えた。


悪戯にしても度が過ぎている。


咲子さんは絶対こんな事はしないし、麻美だって今日来る予定はないからあり得ない。


じゃあいったい誰が?


鎖が切れるか期待して引っ張ってみたけど、ひ弱な力で千切れるはずもない。



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