愛なんてない
え、とわたしが体を硬直させた隙に、京はわたしの腰を見えない角度で引き寄せた。
「あ、そうですか。ではわたしは車でお待ちしておりますわ。弥生ちゃん、しっかりとお話してきてね」
まるで蛇ににらまれたカエル。
おばさんはわたしがどんな目に遭ったか知らなくて、退学の話を聴いて反対してたから、これ幸いとホッとした様子で元来た道をたどって去った。
最後の助けも断ち切られたわたしは……。
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