愛なんてない
「弥生ってやっぱ不器用だな」
「むう! またそれを言うっ! 絶対に美味しいクリームシチューを食べさせるからね」
わたしはむくれながら、京が脇に腕を差し入れて抱き起こすのに身を委ねた。
膨れたわたしのほっぺたを「ほら、アマガエルだ」とつつく京が小憎らしい。
「むう~~いいですよ! どうせわたしは美人じゃないですから」
「そうだな。自覚があるならえらいえらい」
京はわたしの頭を撫でるから、まるっきり子ども扱い。
ダルマガエルの次はアマガエル!