愛なんてない
アンフェア
クリームシチューの柔らかい薫りが漂ってくる。
あとは少し煮込むだけでよし、と。
シチューだけじゃ物足りないかもしれないから、サンドイッチでも作ろうかな。
そう思いながら時計をチラッと見ると、もう11時近くを指してた。
京、おそいなあ。
約束の30分はとうに過ぎてるのに。
でも、わたしには京の行き先を知る権利はないし、京が何をしようとなにも言えない。
京は責任感からわたしと暮らそうと言ってくれただけだから、愛されて一緒にいるわけじゃないから。