愛なんてない



どんどん血が失われていくにつれて意識が薄くなり、寒さで体が震えた。


それでも怖さは感じない。


不思議と穏やかな気持ちだった。






さよなら、京。






最後まで迷惑をかけてごめんなさい。





でも最後だから。





葵さんに会ったら謝って、ちゃんと京がまだ愛してると伝えるからね。






だから許してね





京―――。












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