愛なんてない






「……だから相良先生、わたしをめちゃくちゃにしてもいいです……お願い」


わたしは精一杯の思いを相良先生に伝えた。


相良先生にだけは責任がないんだって。


たとえ手ひどく扱われたとしても、わたしは自分だけが被害者ぶって先生を責めたくない。


わたしは自分から望んだんだから。


相良先生はむしろわたしを思いやって抑えたのに、わたしはお兄ちゃんを忘れたいと挑発したんだ。


実の兄を想うだけでわたしは堕ちて罪にまみれてる。


なのに、同じ場所に相良先生まで落とそうとしてるんだから。

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