愛なんてない



わたしはなんてエゴイストなんだろう。


愛もなくただ忘れたいがために、相良先生を利用しようとしてる。


だから。


それに応じてくれた相良先生を傷つけないように、責任や罪を負わなくても済むように、わたしは先んじて言っておいた。


全てはわたしのエゴから来る罪悪なのだから、相良先生が巻き込まれてはいけないのだ。


「先生も……忘れて。この夜はただの夢なんだって……わたしも忘れるから……」


わたしが全てを言い終えないうちに、相良先生は唇を重ねて声を封じ込めてきた。


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