愛なんてない



「望月」


わたしの名前を呼んだ相良先生は、眼鏡を外して潤んだ瞳のわたしと唇を交わした。


「今の俺は先生じゃない。ただのひとりの男だ。だから名前で呼べ」


「相良先生……?」


なぜ、そんな切なげな瞳でわたしを呼ぶの?


そう思ったのに。相良先生は疑問を感じさせないようにしたのか、わたしにまたキスを与えてきた。


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