大好きなのに…【2】
カチッ
蔵にひとつだけある時計の針が夜の
7時をさした。
もうこんな時間か…
悠斗に連絡できてないな…
その時だった。
「なんだコイツは!」
「取り押さえろ!」
外にいる警備員さんの声が響いた。
誰だろう?
ガチャン
蔵の鍵が開く音がした。
「理恵!」
髪が汗で濡れていて、
ハァハァと息を荒くした悠斗がいた。
「どうしてここに⁉︎」
「は?忘れたの?
いつまでも連絡来なかったら
家に乗り込むってヤツ!」