イケメンアイドルをプロデュース!!
第1章
憧れの中へ
苦しい満員電車の中を抜け、
改札を通って外に出る。
ごった返す人混みにぶつからないよう、
お気に入りのトランク型のキャリーケースを
少し乱雑にゴロゴロと転がして、
地図を片手に目的地に向かう。
見慣れない都会の地。
すうっと空気を吸い込んで前を見ると、都会独特の匂いと辺り一面には高層ビルの数々。
この景色を目の辺りにして、
私はようやく実感する。
「私、都会にきたんだなあ…」
その事実にほうっと惚けていると、
交差点の信号が青になって皆一斉に歩き出す。
はっ、いけない!!!
とたんに我に返り、早足で横断歩道を渡る。