可愛げのないあたしと、キスフレンドなあいつ。
中に二連のネックレスが入っていた。
長いほうにカメリア型のペンダントトップがついてて、短めの方はラインストーンが等間隔についている。
ベタ趣味な渚のチョイスらしい、ベタにかわいく、ベタに少女趣味なネックレス。
ババアに買い与えられたどのアクセサリーよりチープで、子供っぽくて。ダサくて。
でも他のどれよりも、たぶんきっと、あたしにいちばん似合うだろう。
ご褒美と言うより、暗示みたい。
『来いよ』といった渚の声が頭の中で繰り返される。
「……おまえの方こそ、こういうのやめろよ」
あたしのその呟きは雑踏に吸い込まれていった。