可愛げのないあたしと、キスフレンドなあいつ。


………そうだ。

聖人はあたしが良い子でいると、安心したようにあたしを放ってすぐに恋人を作ってきてしまうから。

だから以前、幼い独占欲に駆られたあたしは、いつも聖人の気を引く為にわざと汚い言葉を使ったり、聖人が眉を顰める恰好をしていた。


あたしがどうしようもない女の子として振舞うようになったのは、全部聖人にかまってもらうためだった。




「ボーイフレンドに、こういう格好が似合うとでも言われたの?だからまたこんな服を着たりしたの?でもね、君の外見だけに釣られて、どうせすぐに君のことを放り出す相手が言うことなんて鵜呑みにしてはいけないよ。……中学のときもそれで痛い目に遭っただろう?」


聖人は容赦なく、あたしの心の急所に切り込んでくる。


「君とあんなに仲良くしてくれた友達は、もう誰一人として君に連絡なんて取ってこないだろう?……たしかに渚くんといるのも今はとても楽しいのかもしれない。けどそれは一瞬のことだよ。どうせ彼も他の子たちと何も変わらない。すぐに君に見切りをつけるよ。なのにニカはそれでも渚くんと仲良くしていたいの?」

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