可愛げのないあたしと、キスフレンドなあいつ。
「へえっ?!」
あたしが何を言うより先に、山根がへんな悲鳴をあげた。
「……あ、あの。由太くん、崎谷さんと、同じ班でいいってこと……?」
山根がすこしオロオロしたように、あたしと七瀬由太を交互に見る。
根暗ぼっちときれいめ系イケメンになんの接点も見当たらなくて、今の七瀬の発言を本気か冗談か判断しかねているようだった。
「そう。だって班決め終わらなかったら、次進めないだろ」
七瀬は淡々と返す。
-----------あいつ、見た目だけじゃなくて、性格もちょっと変わったような。
外見をいじったせいか、七瀬由太は前ほどおどおどしなくなったように見える。
最近は罰ゲームをふられても、「俺そんなのやらないよ」と軽く受け流していたし。
外見以上に、中身が垢抜けた印象。
あたしがそんなことを思ってると、背後から聞こえよがしな話し声が聞こえてくる。
「やばい。由太くんまじやさしくない?いくら崎谷さんぼっちだからってさ」
「ってかむかつく。だったらあたしがぼっちなりたいし」
「でもふたりじゃ班ダメなんしょ?ゆーこも行っちゃえば?由太くんの班」
………だから班とか作っても、どうせあたし行かねぇよ。
そう胸の中で毒づいてると。
「俺もそっち行くわ」
突然あがったその一言に、今度はクラスが騒然となった。