可愛げのないあたしと、キスフレンドなあいつ。
くだらない遊び。
たぶん16って、悪いことも下品なこともちょっとたのしい歳なんだ。
澄ました大人たちの顔を歪ませて、ヒンシュクを買うようなことを堂々としている自分たちがおもしろい。
あたしたちがしているのは、『いかにありえないシチュエーションでキスするのか』。
それを考えて実行する、ただそれだけの遊び。
お金も時間もかからない、ただの退屈しのぎの行為。
あたしと渚は、誰にも秘密でそんなことをたのしんでいた。