可愛げのないあたしと、キスフレンドなあいつ。
「何その顔。そんなにあたしとキスしたいの?欲求不満なのは渚の方なんじゃない?」
「はあ?」
「『ヤらせてください』って渚があたしに泣いて拝んで跪くんだったら、今ここでヤらせてあげてもいいけど?」
女子にちやほやされることはあっても、ここまでひどいことを言われた経験はないんだろう。
渚の見目のいい顔がますます歪んでいく。
「……生憎俺は安くねぇんだよ。俺に『抱いてください』ってお願いできないような女はお断り。男なら誰でもいいってクソビッチなんか願い下げだっての」
「うん。じゃあ」
あざといくらいの上目遣いで、渚に媚びてみる。
「『渚』」
発情してる雌みたい。
鼻に掛かった甘い声で誘うように言ってやる。
「『お願い。……あたしの処女、もらってください。渚が欲しいの。今すぐエッチしよ?』。…………こんな感じが好み?」
こらえきれずに半笑いを浮かべたあたしに、渚は噛み付くようなキスをしてきた。
一週間ぶりの、渚のくちびる。
そう思ったら、しなかった先週の分まで取り戻すようにあたしは自分から渚にくちびるを押し付けて渚からのキスに応えていた。
渚も忙しなく左右に顔を傾けて、いろんな角度からあたしのくちびるを攻めてくる。