可愛げのないあたしと、キスフレンドなあいつ。
制裁のキスと同じで、悪ノリするあたしを懲らしめるためのキスだったはずなのに。
渚からのキスはあたしを罰するような荒々しいものから、だんだんと舌を絡めるようなねちっこいやり方に移行していって。
渚は自分自身の勢いに飲まれるように、あたしの脚とか腰とかをあちこちまさぐってきた。
あたしの体のきわどいところに渚のその指先が触れそうになる。
「………したいの?」
雄の顔を晒す渚と、それを冷め切った目で見るあたし。
目が合うと、渚は自分のしてることに気づいたように手を止めて、いかにも屈辱そうな顔をしてあたしから離れた。
「………クソッ」
ほんの一瞬でも、うっかり流されそうになったことが不本意でしょうがないらしい。