カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
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部屋に戻れば必ず出迎えてくれる珠子。

俺は珠子を抱き上げて盛大な溜息を吐いた。


「珠子と言っても…お前はオスだったよな」


俺は珠子を抱っこしてポツリと呟く。

珠子はオンナの名前なのに、性別はオスだった。


ニャーと啼いて、俺の鼻の頭をペロッと舐める珠子。


「珠子…莉那には、俺とお前が恋人同士だと思われている。猫と人間が恋人なんて…考えて見れば奇妙だな」

咄嗟に出た女の名前が珠子の名前だった。
嘘だとバレない為に付いた嘘。


莉那の薬指に嵌ったダイヤのリングを見ていると本当に婚約したキモチになり、嬉しくなる。


「珠子、俺はどうしたらいい?教えてくれ」



ニャーと珠子は啼くだけ。猫なんだからニャーしか言えないのは当たり前。
珠子に相談してもアドバイスなんてもらえないのは判ってるのに。

俺は何をしているんだ!?

俺は一人で悩み、ようやく答えを導き出した。

時期が来れば、本当のキモチを伝えよう。

このモヤモヤしたキモチを吐き出す方法は、素直に自分のキモチを告げるしかない。


莉那――――俺はお前と本気で結婚したいんだ。と…










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