カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
ワインのボトルの栓を開けて、あの夜のようにグラスを重ねた。
「この生ハム美味しい」
「…前の会社の同僚のイタリア出張の土産だ」
「へぇー。本場の生ハムか…」
パーティ会場を途中で抜け出して来た私達。
逸希はちゃんと沢木部長に連絡を入れて処理していた。
彼の完璧さが昔と変わらない。
私なんて欠点だらけで、努力で補いずっと生きて来た人間。
「逸希、本当に私でいいの?」
「どうした?俺では不満か?」
「不満とかじゃなくて、私…欠点だらけよ。逸希は完璧な人間だから、その・・・」
「俺が完璧?完璧なら、一人で何でも出来るさ。この世界にオトコとオンナが居るのは互いに足りないモノを補う為なんだぞ」
「私は完璧な逸希に何を補うの?」
「愛をくれ。そして、ずっと俺のそばに居てくれ。莉那」
「逸…希?」
「俺はお前でなきゃダメなんだ…」
逸希は寂しげに耳許で囁く。その甘く切ない声に鼓膜が震え、背筋に電気が走った。
「この生ハム美味しい」
「…前の会社の同僚のイタリア出張の土産だ」
「へぇー。本場の生ハムか…」
パーティ会場を途中で抜け出して来た私達。
逸希はちゃんと沢木部長に連絡を入れて処理していた。
彼の完璧さが昔と変わらない。
私なんて欠点だらけで、努力で補いずっと生きて来た人間。
「逸希、本当に私でいいの?」
「どうした?俺では不満か?」
「不満とかじゃなくて、私…欠点だらけよ。逸希は完璧な人間だから、その・・・」
「俺が完璧?完璧なら、一人で何でも出来るさ。この世界にオトコとオンナが居るのは互いに足りないモノを補う為なんだぞ」
「私は完璧な逸希に何を補うの?」
「愛をくれ。そして、ずっと俺のそばに居てくれ。莉那」
「逸…希?」
「俺はお前でなきゃダメなんだ…」
逸希は寂しげに耳許で囁く。その甘く切ない声に鼓膜が震え、背筋に電気が走った。