カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
《12》想い出の場所

莉那side-

ドレスに着替えて、リビングで待つ逸希の元に戻った。



「お待たせ」


「ドレス姿も素敵だ」


逸希の瞳には私が特別に綺麗に見えるフィルターが付いている思う。

素敵と言われて悪い気はしないけど。


私の顔は、逸希の甘い言葉の応酬に赤くなりっぱなし。


逸希は昨日のフォーマル姿とは打って変わり、ラフなジーンズ姿。


「一緒に歩くとつり合い取れないわね」


「莉那は自分の部屋で着替えればいい。俺が部屋まで送ってくよ」


「私の部屋に来るの?今日はダメ…片付いていないし」


「別に気にしないよ」


「私が気にするから…」


「人の部屋を見ておいて、ズルいと思うけど」

逸希の瞳は恨めしげに私を見つめる。




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