カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
「でも、自分の母校がなくなるなんて…想い出を一つ失ったようで寂しいなぁー」


「そうね・・・」


校舎も13年前から変わっていない。

所々補修された部分はあるが、全体的に建て替えられた形跡はなかった。


「だいぶん前から…廃校は決まっていたのかな?」


「話は何度も出ていたみたい」


「ふうん」


「見つけた・・・」


「!?」


逸希は、裏庭の一際大きな桜の幹に歩み寄った。



「ここが全ての元凶の場所」


「元凶?」


「俺が臆病なばかりに…13年間も回り道したんだ」


逸希は自虐的に呟いた。


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