カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
もし、一度だけ時を戻すコトが出来るなら、卒業式のあの日・・・


逸希を失ったあの日に戻りたい。


「莉那、俺は幼なじみとしてではなく、一人のオンナとしてお前がスキだ」


「逸希・・・」


目の前の逸希が学ランを着ている。
幻だと判っていながらも嬉しい。

――――――時が戻っている。

あの卒業式の日にーーー・・・

「私も逸希がスキ」

「幼なじみとして?」

「ううん。一人の男性として・・・」



二人で遊んだ公園は寂れていた。二人で通った中学校は来年の3月で廃校になる。



私達の想い出が月日と共に色を失なっていく。





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