カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
15歳だった私達も28歳・・・

でも、私の瞳には逸希の姿が鮮やかに見える。彼の姿はまだ色を失っていない。


「俺は莉那と一緒にこの場所に来たかった」


「逸希?」


「もう一度、ここに来れば、時間が戻る気がしてさ。本当に戻ったよ」


「私も戻った気がした。来て良かった…」



想い出の場所を失うのは悲しいけど、私は大切なモノを手に入れた。


後悔していたあの日にも『さよなら』出来そうだ。



「今からでも遅くないよね」



「遅くない。離れていた13年間を取り戻そう」


逸希の両手が私の腰を抱く。私は逸希のカラダに引き寄せられて、甘いキスを落とされた。





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