カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
「でも、良かったわ。逸希と莉那ちゃんがようやく結び付いて…。お母さんは逸希のお嫁さんは莉那ちゃんしか居ないと思っていたから…」


「か、母さん、何を言い出すんだよ!!?」


逸希は辺りを見て、周囲の目線に参ったように後ろ髪を掻いた。



練習試合は始まっていないけど、サッカーの強豪校同士の試合には大勢のギャラリーが押し寄せていた。


私と逸希も観客席のベンチに腰を下ろした。


「ねぇ?どの子が逸希の弟の友希君?」


「あ、あの青いユニフォームを着た背番号10番が友希だ」

「友希君ってエースストライカーなの?」


「そうだよ。友希のヤツ…俺よりもサッカー上手くて、去年はジュニアユースのメンバーに選ばれたんだ」


「そうだったの!?」


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