カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
オフィスに戻った私を待っていたのは沢木部長に代わって上司となった長谷田部長の呼び出しだった。


「沢木部長から訊いたが、君は近々退職するのか?」


「退職…ですか?」


「沢木部長はあくまで、元上司。今の上司は私だと思うんだが…違うのか?」


「長谷田部長の仰る通りです」


「『新規事業部』に異動したかったコトは判っている。だからと言って、『新規事業部』の仕事を手伝ったりするのは不謹慎だ。君はPR課のチーフとしての役目を何だと考えているんだ?」


「申し訳有りません。長谷田部長」



「退職するならキチンと退職届を書いてくれ。やる気のない上司だと…社員達の仕事の士気も下がる」


「私は心を入れ替えて、これからも続けるつもりです」


寿退社を一度は考えたが、もう一度心を入れ替えて仕事に打ち込もうと決意した。


「…ハッキリ言おう。私は沢木部長の元愛人と仕事をする気はない」


「長谷田部長!?」


「私と沢木部長は同期。私はかって本社に居たが、沢木部長の策略によって大阪に飛ばされてしまった。本社に戻るにはどれだけ苦労したコトか・・・」


「・・・」


「私は沢木部長に負けたくない」





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