カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
「デートだけ?」


「…キスもそれ以上もしたいと思ってた。俺は男だからな・・・」


逸希の中ではまだ、過去の想いではなく、僅かに現在進行形として私への想いが残っているらしい。


逸希は私のカラダを壁に押し付ける。


卒業式のあの日。


切なげに私を見つめた逸希の瞳を思い出す。
目の前の逸希の瞳も切なそうだけど、
その瞳の奥には牡の欲情が垣間見れた。

「今夜だけは俺のモノになれよ。莉那」



逸希は強引に私の唇を奪った。


私も他の男に逸希の影を追い続けている。私も逸希と同じで今でも逸希がスキなんだ・・・



昔の逸希には無かった強引な所。



今まで知らなかった逸希の側面に新鮮さがこみ上げる。


「莉那…その舌遣い慣れてるな…」


「逸希こそ・・・」


私は逸希の濡れた唇を指先でなぞった。形が良くほどよい厚みのある柔らかい逸希の唇。


「今夜だけ…逸希のモノになる」
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