カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
卒業式を終えた逸希を人気のない所に呼び出した。


「逸希、一つお願いがあるの…」

「俺も莉那に話があったんだ・・・」

彼は両親の仕事の都合で4月にはアメリカに旅立ってしまう。


「私に第二ボタン譲って欲しいの…」


「莉那お前…」


逸希の戸惑った顔が瞳に映る。

彼の心の動揺が見て取れた。何だか…誤解されているように思え、慌てて言葉を付け足した。


「皆藤さんに頼まれたと言うか…」


皆藤さんの名を口にした途端、

逸希の顔が急に強張り、温度の無い声が響く。


「お前、それマジで言ってるのか?」


「ダメなら…」


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