カモフラージュ～幼なじみ上司の不測の恋情～

「今日から俺の秘書として勤めるコトになりました植野莉那さんです。永瀬副社長」


「私は何も訊いていないぞ。藤ヶ谷副社長」


「忙しくてつい言いそびれてしまいました…」


もしかして、藤ヶ谷副社長は私のコトを誰にも話してないの？


「貴方、冬弥の新しいオンナ？」


永瀬副社長の後ろに控えていた女性が問いかける。


「姉貴誤解だ！彼女にはれっきとした婚約者が居る！！」


「濱部さんにフラれて、今度は婚約者の居る女性を秘書にするなんて…」


「彼女は姉の麻弥（マヤ）さんです。永瀬副社長の秘書を務めています」


夏目さんが小さな声で教えてくれた。


「挨拶はした。次は親父の社長に挨拶だ。植野さん」



「冬弥っ！！私の言葉を無視しないで。何とか言いなさいよ！」


「無視していいんですか？」


「いいよ…別に」