カモフラージュ～幼なじみ上司の不測の恋情～

《３》二度目の再会はオフィスで

莉那side－

同窓会から１週間。


「久し振りのデート、楽しくなさそうだな」


「え、あ…いえ」


久し振りの沢木部長とのデート。

部長が私の為に選んだ店は最近オープンしたダイニングバー。


「何も訊かなかったけど…同窓会で何かあった？」


部長は生ハムを食べ、ワインを一口に飲んで私を射るような視線で見つめる。


「別に…」



私と逸希は一夜限りの関係。彼氏の居る私は逸希の携番とメルアドを訊けなかった。

逸希も私に訊こうとしなかった。


お互い両想いだと判ったのに、関係は曖昧なまま。

今更…幼なじみにも戻れない。完全に二人の仲は途切れて、唯の同窓生となったのかもしれない。