カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
《4》 幼なじみの腕の中

莉那side-

二人で執務室に戻ると、無事に挨拶を終えた逸希の口許からは安堵の息が漏れた。


「緊張した?」


「まぁな。最初が肝心だからな・・・」


「コーヒー飲む?」


「いや、いいよ。気遣いありがとう。植野チーフ」


逸希は椅子を引いて、腰を下ろした。


「これは午後からの会議に使用する新商品のPR戦略の立案書です。目を通しておいて下さい。遊佐課長」


私は逸希に私の立案書を見せた。


「…へぇーお前が考えた立案書か・・・」


逸希は立案者の名前を見逃さなかった。


「楽しみだな…しっかりと吟味させて貰うよ」


逸希は私と同じ歳で既に課長職に就く。プランナーとして優秀だからこそ、藤堂社長自らがヘッドハンティングして我が社に来た。



私と逸希の差は歴然だけど、逸希の優秀さは昔から知っている。


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