カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
「へぇー」


沢木部長だけは冷静に捉え、興味津々な目で俺を見ていた。


「ちょっと来て!逸希」


莉那はバツが悪そうに顔を歪めて俺を個室から連れ出した。

連れて来られた場所は人気のない廊下の隅。

もしかして、課の中にストーカーが居たのか?

「いつまでも隠し通せるモノでもないだろ?」


「隠し通す努力をすれば隠し通せるコトでしょ!?」



「…何かあった時は絶対に俺が守ってやるから・・・安心しろっ」


「別に…逸希のコトなんてあてにしてない」


「無断で彼氏にしといてよく言うぜ」



「いつまで…痴話げんかしてるんだ?植野チーフ、遊佐課長」



沢木部長が俺達の元にやって来た。



「沢木部長、すいません。もう少しで戻ります」


「戻らなくてもいい。莉那行くぞ」


「え、あ…でも、私バックを・・・」


「俺が持って来た。遊佐課長君も来るんだ」


沢木部長はご丁寧に俺のブリーフケースまで持って来てくれた。








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